2010年11月2日火曜日

日本の第一次産業

朝日新聞 2010年11月2日の夕刊に載った池澤夏樹氏のコラム「終わりと始まり」で,チリ鉱山救出劇の話から,鉱夫という言葉について深い考察がなされていた.

題目は「職業の誇り-「鉱夫」はどこに行ったか」

その最後の言葉が印象的なので,引用する.

「問題は戦後の日本が第一次産業に背を向けて国を運営したきたことだ.その結果,我々は食べ物さえすっかり工業製品にしてしまった.

第一次産業は自然のすぐ近くにある.自然はなかなか人間の思い通りにならない.自然から遠くなれば,その分だけ人間は傲慢になり,自分の力を過信し,道を誤ることになる.その弊害を我々は何度も見てきたのではなかったか.

第一次産業に携わる人々の誇りを奪ってはいけない.人が生きることの根源にもっとも近いところで働いているのは彼らだから」

こうした考察ができるのは,小説家だけになってしまったのだろうか.テレビでこうした発言をする識者を私は知らない.

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